「CASBEE-不動産」とは、既存の建築物が「環境配慮をしているかどうか」を数値化して、4段階のランクで評価し、投資家、金融機関、不動産会社、ビルオーナー、仲介会社などの不動産マーケット関係者が参考にする指標です。「CASBEE-不動産」評価認証を取得すると、環境性能に優れた物件であることのアピールにつながり、賃料上昇や物件利回り低下などが期待されるメリットがあります。ただ、申請に外注を利用することで費用が発生するため、実際に申請をする前に「どのランクになるか知りたい」「そもそも取得できるのか」というご質問も多数寄せられています。
そこで、建築物の省エネ計算・適合性判定・性能評価事業を手掛ける環境・省エネルギー計算センターでは、「CASBEE-不動産」のセルフチェックができるオンラインサービス「CASBEE-不動産 自己査定システム」の無料提供を開始しました。
本システムは、お客様自身が不動産の情報を入力していただくことで、「CASBEE-不動産」の評価基準達成可否や該当ランクをセルフチェックすることができ、申請時の判断に役立ちます。
2015年に世界最大規模の機関投資家であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が国連責任投資原則(Principles for Responsible Investment)の署名を行いました。
これを受けて、日本の金融機関や不動産投資信託会社は投資先となる不動産ファンド、不動産開発会社にESG(Environment,Social,Governance;環境・社会・企業統治)配慮の取り組み状況や計画の開示を求めるようになりました。「CASBEE-建築」や「CASBEE-不動産」による認証取得は保有不動産の環境配慮の度合いを第三者性で証明するものです。特に既存建物に適用しやすい「CASBEE-不動産」の認証件数は急増しています。
一方で、不動産ファンドや開発会社にとって、自身が保有する不動産の認証取得の是非や優先度を検討するうえで、「CASBEE-不動産」の認証取得が可能か?評価はどのランクになるのか?といった情報が必要になります。認証を目的とした評価やその準備をしてみたものの、必須項目が満たせない、評価ランクが低すぎるといった理由で、認証取得に至らない場合もあります。逆に言えば、評価ランクの目途が事前に把握できないと認証取得に前向きになれません。
環境・省エネルギー計算センターが提供する「自己査定システム」は、これらの事前評価を把握したいニーズに応えるツールです。認証取得の判断前作業を最小化できるため、「CASBEE-不動産」の認証取得の後押しとなることを期待しています。
千葉大学大学院工学研究院
創成工学専攻建築学コース准教授
環境・省エネルギー計算センター技術支援アドバイザー
A.自己査定システムは完全無料でご利用いただけます。
正式に申請依頼を行った場合のみ費用発生となります。